January 2026

内容証明
【行政書士の視点】敷金が返ってこない?退去時のトラブルを「内容証明」で解決する正攻法

「退去時に、高額なハウスクリーニング代を差し引かれた」 「壁紙の張り替え費用を全額負担しろと言われた」 賃貸物件を退去する際、敷金が全く戻ってこない、あるいは逆に追加費用を請求されて困っているというご相談は後を絶ちません。 実は、退去時の修繕費用(原状回復)には明確なルールがあります。今回は、行政書士の目線から、不当な請求に対して内容証明を活用して自分の権利を守る方法を解説します。 1. 知っておきたい「原状回復」の基本ルール 国土交通省のガイドラインでは、原状回復について次のように定められています。 つまり、「普通に住んでいてついた汚れ」に対して、敷金から修理代を引くことは原則として認められません。 2. なぜ「内容証明」が効果的なのか? 管理会社や大家さんとの電話交渉では、「規約で決まっているから」「みんな払っているから」とはぐらかされてしまうことが少なくありません。 そこで、行政書士が作成する内容証明郵便の出番です。 ① 法的根拠に基づく主張 「ガイドラインに基づけば、この修繕費は貸主負担である」という事実を、法務のプロが論理的に整理して伝えます。感情論ではなく「正攻法」で迫ることで、相手方もいい加減な対応ができなくなります。 ② 言った・言わないの防止 内容証明は郵便局が内容を証明するため、後に裁判外での紛争解決を目指す際にも、こちらがいつ、どのような主張をしたかの確実な証拠となります。 ③ 強い「解決への意思」を示す 行政書士名義の書面が届くことで、相手方に「この入居者は専門家のサポートを受けて、正当な権利を主張している」という本気度が伝わり、不当な請求が取り下げられたり、返金額が修正されたりするケースが多くあります。 3. 濱口事務所のこだわり:個別事情に合わせた「原案」設計 弊所では、単に返還を求めるだけでなく、ご依頼者様から詳しく状況をお聞きします(対話重視)。 企業の法務部で数多くの契約書をシビアにチェックしてきた経験を活かし、契約書の条項と法律の境界線を冷静に見極めた原案を作成します。 もちろん、行政書士法を厳格に遵守し、ご本人の「意思表示」を最大限にサポートする立場を貫きます。 まとめ:諦める前に、まずは「契約書」をお見せください 「少額だから」「面倒だから」と諦めてしまうのはもったいないことです。 敷金は、あくまであなたの「預け金」です。正当な理由のない差し引きに対しては、勇気を持って意思表示をする必要があります。 難しい言葉は必要ありません。まずはあなたの言葉で、納得いかない点をお聞かせください。濱口事務所が、あなたの明日への安心のために、納得のいく書面作成を支援いたします。

Read more
内容証明
【行政書士の視点】リベンジポルノ・プライバシー写真の削除要求。内容証明で「意思」を示す意味

「別れた相手が、プライベートな写真を消してくれない」 「SNSに投稿すると脅されている」 リベンジポルノやプライバシーの侵害は、人生を壊しかねない重大な問題です。一人で悩み、相手に懇願しても、事態が悪化するケースは少なくありません。 こうした時、行政書士ができるのは、ご依頼者様の「直ちに消去し、二度と拡散させない」という強い意思を、法的根拠のある書面(内容証明)に整えることです。 1. なぜ「内容証明」が有効なのか? 相手に対して「消してほしい」と口頭やLINEで伝えても、「わかった」と言いつつ放置されたり、逆に逆上されたりするリスクがあります。 行政書士が作成する内容証明には、以下の効果があります。 2. 濱口事務所が大切にしている「守り」の姿勢 この問題は、一歩間違えると相手を刺激し、拡散を招く恐れがある非常にデリケートなものです。だからこそ、弊所では以下のスタンスを貫きます。 ① 「交渉」をせず、厳然たる「通告」に徹する 私は企業法務の世界で、言葉一つがもたらすリスクをシビアに見てきました。相手と駆け引き(交渉)をするのではなく、「法的に見て、今のあなたの行為はこれだけのリスクがある」という事実を、隙のない書面で突きつけます。 ② 法令遵守によるご依頼者様の保護 「どこまでが正当な権利行使か」の境界線を熟知しているからこそ、相手から「脅迫だ」などと逆ねじを食らわされない、正攻法の文面を作成します。これが、結果的にご依頼者様を一番安全に守ることに繋がります。 ③ 徹底した秘匿と対話 まずは、あなたの言葉で何が起きているかをお聞かせください。難しい法律用語は不要です。弊所は「一番話しやすい窓口」として、あなたのプライバシーを厳守し、安心感を提供することを第一に考えます。 3. 消去後の「念書」や「合意書」の作成 写真を消去させただけでは、不安は消えません。「複製を持っていないこと」「今後一切、他人に提供・公開しないこと」を約束させ、それを合意書や公正証書の形に整えることで、将来の再発を防止します。 まとめ:その不安、一人で抱え込まないでください ネット社会において、一度拡散された情報は完全には消せません。だからこそ、「拡散される前」の迅速な対応がすべてです。 相手との直接のやり取りに恐怖を感じているなら、まずはご相談ください。行政書士として、あなたの尊厳を守るための「確かな書面」を、心を込めて作成いたします。

Read more
内容証明
【行政書士の視点】交通事故の損害賠償請求。自分の「意思」を正当な書面にする大切さ

交通事故に遭い、心身ともにダメージを負っている中で、相手方や保険会社とのやり取りに疲弊していませんか? 「提示された金額に納得がいかないが、どう伝えればいいかわからない」 「自分の言い分が正当に伝わっているか不安だ」 交通事故の解決において、行政書士ができることは「交渉」ではありません。ご依頼者様の抱える事実と想いを整理し、「法的根拠のある書面(内容証明等)」として相手方に提示するサポートです。今回は、その重要性について解説します。 1. 「交渉」ではなく「正しい主張」から始める 交通事故の損害賠償において、保険会社から提示される金額は、必ずしも被害者の実情をすべて反映しているとは限りません。 大切なのは、感情的に反論することではなく、「何が事実で、どのような損害が生じているか」を冷静に、かつ明確な書面で示すことです。 行政書士が作成する内容証明による通知は、ご依頼者様の「意思表示」を公的に証明するものです。これにより、相手方に対して「こちらの主張は法的な検討に基づいたものである」という姿勢を明確に伝えることができます。 2. 濱口事務所が交通事故の書面作成で守り抜く「一線」 交通事故の分野では、行政書士が「示談交渉」を行うことは法律(弁護士法)で禁じられています。弊所はこの一線を厳格に守ります。 ① 「交渉」をしないからこそ、書面に力を込める 私は、企業法務で長年「契約と法律の境界線」を見極めてきました。 相手方と駆け引きをするのではなく、ご依頼者様が主張したい事実関係を「書面」として完璧に整えます。ご依頼者様本人の意思を、最も説得力のある法的構成で原案にする。それが私の役割です。 ② 紛争リスクを最小限にする「個別設計」 型通りの請求書ではなく、事故の状況や生活への支障など、お一人ずつの個別事情を丁寧に聞き取り(対話重視)、書面に反映させます。 「どこまでが書面作成で、どこからが交渉か」を熟知しているからこそ、ご依頼者様を不要なリスクに晒すことなく、正当な権利行使を支援できます。 3. 「書面」がもたらす安心感 内容証明を送ることは、単なる通知以上の意味を持ちます。 まとめ:あなたの「正当な声」を形にするために 交通事故のトラブルは、時間が経つほど記憶も曖昧になり、精神的な負担も増していきます。 「交渉はしたくないけれど、自分の言い分はしっかり伝えたい」 「今の提示内容に疑問がある」 そんな時は、まずはあなたの言葉で今のお悩みをお聞かせください。 行政書士として、法令を厳格に遵守しながら、あなたの意思を「法的根拠のある書面」という盾に整えます。

Read more
内容証明
【行政書士が教える】不貞行為の慰謝料請求。内容証明を送る際に「絶対に外せない」ポイント

配偶者の不貞(不倫)を知った時のショックは、計り知れないものです。「相手に今の苦しみを知ってほしい」「正当な慰謝料を請求したい」と考えたとき、最初の一歩として選ばれるのが「内容証明郵便」です。 しかし、不貞問題の内容証明は、書き方一つでその後の展開が大きく変わります。今回は、行政書士の視点から、冷静かつ効果的に想いを伝えるためのポイントを解説します。 1. 内容証明を送る「本当の目的」とは? 不貞相手に対して内容証明を送ることには、単に「お金を払え」と言う以上の意味があります。 2. 濱口事務所が大切にしている「書面作成」の流儀 不貞問題は非常にセンシティブだからこそ、弊所では以下の3点を徹底しています。 ① 法令遵守(コンプライアンス)の徹底 不貞問題の内容証明は、一歩間違えると「脅迫」と受け取られたり、弁護士法に抵触する「交渉」に踏み込んでしまったりするリスクがあります。 20年にわたる法務実務の経験から、「どこまでが正当な意思表示か」の境界線をシビアに見極め、ご依頼者様を不要なリスクに晒さない「正攻法」の書面を整えます。 ② 「個別設計」の文面 「不倫 テンプレート」で出てくるような言葉は使いません。 お一人ずつ異なる「背景」や「今の想い」をお聞きし、それらを法的に整理された原案に落とし込みます。相手が「認めざるを得ない」説得力のある構成を練り上げます。 ③ 感情を「法的な言葉」へ翻訳する 怒りや悲しみをそのままぶつけるのではなく、冷静かつ厳然とした言葉に翻訳します。これにより、相手に「この依頼者は冷静に法的な手段を検討している」という強いプレッシャーを与え、解決を促します。 3. 内容証明を送った後のステップ 内容証明はゴールではありません。大切なのは、送った後にどう着地させるかです。 相手が内容を認め、謝罪や支払いの意思を示した場合、その約束を「示談書」や「公正証書」という形で残しておくことが、将来のトラブル(再会の禁止や不履行の防止)を防ぐために極めて重要です。 まとめ:一人で抱え込まず、まずはご相談ください 不貞の問題は、周囲に相談しづらく、一人で悩んでしまいがちです。しかし、感情だけで動いてしまうと、かえって不利な状況を招くこともあります。 難しい言葉は必要ありません。まずはあなたの言葉で、今起きていること、そして「どうしたいのか」をお聞かせください。濱口事務所は、一番話しやすい窓口として、あなたの意思を確かな書面にするサポートを全力で行います。

Read more
内容証明
【行政書士が教える】貸したお金が返ってこない…。「内容証明」で解決へ動くべき理由と注意点

「善意で貸したお金なのに、期限を過ぎても返してくれない」 「連絡をしても、なんだかんだと理由をつけて先延ばしにされる」 知人や親戚同士の貸し借りであればあるほど、強く催促するのは気が引けるものです。しかし、感情に任せて何度も連絡したり、逆に諦めて放置したりすることは、解決を遠ざけることになりかねません。 そんな時、行政書士が「法的根拠のある書面」として作成するのが内容証明郵便による貸金返還請求です。 1. なぜ「内容証明」が効果的なのか? 内容証明とは、いつ、誰が、誰に、どのような内容の手紙を出したのかを郵便局が公的に証明してくれるサービスです。お金のトラブルにおいて、これが重要な役割を果たす理由は3つあります。 ① 「聞いていない」という言い訳を封じる 普通の手紙やLINEでは、「見ていなかった」「届いていない」と言い逃れをされる可能性があります。内容証明は相手に手渡しで届けられ、その記録が残るため、後から「知らなかった」とは言わせません。 ② 相手に対する「本気度」の提示 行政書士名義で届く厳格な書面は、相手に「このままでは法的な手続きに進むかもしれない」という緊張感を与えます。これまでのルーズな対応が、この一通で劇的に変わるケースは少なくありません。 ③ 時効の中断(催告) 借金には時効があります。時効が迫っている場合、内容証明を送ることで一時的に時効を止める(催告)効果があり、あなたの権利を守るための大切な「盾」となります。 2. 行政書士(濱口事務所)が作成する内容証明のこだわり 弊所では、単に請求金額を書き連ねるだけの書類は作りません。 3. 注意点:内容証明は「魔法の杖」ではありません 内容証明は非常に強力ですが、これ自体に差し押さえなどの強制力があるわけではありません。 だからこそ、「どのタイミングで出すか」「どのような言葉を選ぶか」が重要です。弊所では、ご依頼者様の現状をしっかりとお聞きし(対話重視)、内容証明を送ることが今の状況において最適解かどうかを共に考えます。 まとめ:あなたの「返してほしい」という想いを、確かな形に。 お金の問題は、時間が経てば経つほど解決が難しくなります。 「どう切り出せばいいかわからない」「相手との関係をこれ以上こじらせたくない」 そんな時は、まずはあなたの言葉で今のお悩みをお聞かせください。法務実務の経験に基づいた「正攻法」の書面作成で、あなたが平穏な日常を取り戻すためのお手伝いをいたします。

Read more
遺言書
【遺言の豆知識】公正証書遺言なら「検認」が不要!遺された家族の負担を減らす最大のメリット

「遺言書さえ書いておけば、死後の手続きはスムーズに進むはず」 そう思っていませんか? 実は、自分で書く「自筆証書遺言」の場合、亡くなった後に家庭裁判所での「検認(けんにん)」という手続きを経なければ、銀行解約や名義変更に使えないケースがほとんどです。 今回は、その面倒な手続きをスキップできる「公正証書遺言」の検認不要メリットについて解説します。 1. そもそも「検認」ってなに? 検認とは、家庭裁判所が遺言書の内容を確認し、「これ以上、書き換えや改ざんをされないように状態を保存する」ための手続きです。 自筆証書遺言(自宅に保管していたものなど)が見つかった場合、勝手に開封してはいけません。必ず裁判所に持ち込み、相続人の立ち会いのもとで開封・確認する必要があります。 2. 検認の手続きは、実はこんなに大変! 検認が必要になると、遺されたご家族は以下のような負担を強いられます。 この間、預金口座の解約などはストップしてしまいます。 3. 公正証書遺言が「検認不要」な理由 一方で、公証役場で作成する「公正証書遺言」は、検認を受ける必要がありません。 理由はシンプルです。 公正証書は、公証人(元裁判官や検察官などの法律のプロ)が本人の意思を確認して作成し、原本が公証役場で厳重に保管されるからです。 「偽造や改ざんの心配が最初からない」と国が認めているため、亡くなった直後からすぐに相続手続き(名義変更など)に進むことができます。 4. 行政書士の視点:検認不要が「争族」を防ぐ 検認の手続きで時間がかかるうちに、相続人同士の感情がこじれてしまうケースを少なくありません。 「すぐに葬儀費用を支払いたいのに、口座が凍結されて動かせない」 「検認の通知が届いた親族が、急に不信感を抱き始めた」 公正証書遺言で検認をスキップできることは、単に手間が省けるだけでなく、「スムーズに手続きを終わらせることで、家族の絆を守る」ことにも繋がるのです。 まとめ:家族への最後の「思いやり」をカタチに 自分が亡くなった後、家族に面倒な裁判所の手続きをさせたくない。 そう思うのであれば、最初から公正証書遺言を選んでおくのが「正攻法」です。 「自分の場合は、自筆と公正証書のどちらがいいの?」「作成にどれくらい時間がかかるの?」など、少しでも気になった方は、まずは弊所までお気軽にご相談ください。 あなたの想いを、最も確実な「書面」に整えるサポートをさせていただきます。

Read more
遺言書
【老後の安心】「配偶者居住権」とは?家と現金を両方守るための新ルールを徹底解説!

「夫が亡くなった後、この家に住み続けたい。でも、生活費としての現金も必要……」 そんな切実な悩みを解決するために、2020年からスタートした画期的な制度が「配偶者居住権(はいぐうしゃきょじゅうけん)」です。 今回は、この権利の仕組みから、実務で注意すべき「お金」の話まで、行政書士の視点で分かりやすく解説します。 1. 配偶者居住権ってどんな制度? 一言でいうと、自宅を「住む権利(居住権)」と「所有する権利(所有権)」に切り分ける制度です。 これまでは、家を相続するには「丸ごと所有」するのが当たり前でした。しかし、そうすると以下のような困った事態が起きていたのです。 旧制度での「よくある困りごと」 妻が「住む場所を確保したい」と自宅(2,000万円)を丸ごと相続すると、それだけで自分の取り分を使い切ってしまいます。すると、現金はすべて長男の手に渡り、妻は「住む家はあるけれど生活費がない」という不安定な状態になってしまいました。 配偶者居住権を使うと…… 自宅を「住む権利」と「所有権」にパカッと分けます。 例えば、妻が「住む権利(1,000万円分)」だけを相続すれば、残り1,000万円分の枠で「現金」も相続できるようになるのです。 ※注意:評価額の計算について 上記の「1,000万円ずつ」というのはあくまで分かりやすくするためのイメージです。実際の評価額は、建物の時価、耐用年数、そして配偶者の年齢(平均余命)などを基に複雑な計算式で算出されます。 2. 配偶者居住権の3つのメリット ① 終身、今の家に住み続けられる 原則として、亡くなるまで一生涯住み続けることができます。家の名義が子供になっても、「売るから出ていって」と言われる心配はありません。 ② 現金をしっかり手元に残せる 家を「居住権」として評価することで、遺産分割において預貯金を確保しやすくなります。 ③ 二次相続の節税になる「可能性」がある 配偶者居住権は、配偶者が亡くなった時点で消滅します。この権利自体は次の相続(子供への相続)で課税対象にならないため、ケースによってはトータルの税負担を抑えられる可能性があります。 (※不動産構成や他の財産状況により効果は異なるため、税理士等への確認が推奨されます) 3. 知っておきたい「維持費(固定資産税)」の負担 「住む権利だけなら、税金は払わなくていいの?」という質問をよく受けます。 法律上、通常の修繕費などの「必要費」は、住んでいる配偶者が負担することになっています。 固定資産税については、納税義務者は「所有者(名義人)」ですが、実務上は「居住権者が実質的な負担分を支払う」という形で整理されるのが一般的です。 トラブルを防ぐために、あらかじめ家族間で「誰がいくら払うか」を明確にしておくことが大切です。 4. 利用するための「4つの条件」 まとめ:老後の「住まい」と「お金」に不安があるなら 配偶者居住権は、「住み慣れた家」と「自由なお金」を両立させるための強力な味方です。 特に、自宅が財産の大半を占めている場合や、先妻の子と後妻の間での相続など、少しデリケートなケースでは非常に有効な解決策になります。 ただし、評価額の計算や登記手続きなど、専門的な判断が必要な場面も多い制度です。「自分たちのケースで使えるかな?」と思ったら、まずは相続の専門家へ相談してみてくださいね。

Read more
遺言書
【行政書士が教える】「遺留分」を侵害しない遺言書の作り方|特定の人に多く残すための黄金比とは?

「お世話になったあの人に多く残したい。でも、家族で揉めるのは絶対に嫌だ」 遺言書作成の相談を受ける際、最も多く寄せられるのがこのお悩みです。 特定の相続人を優遇する遺言を書くとき、行政書士が必ずといっていいほどアドバイスするのが「遺留分(いりゅうぶん)への配慮」です。 今回は、行政書士の目線から、争いを防ぎつつ想いを叶える「遺留分を侵害しない配分指定」のポイントを徹底解説します。 1. 行政書士が「遺留分」を重視する理由 遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された「最低限の取り分」のことです。 たとえ遺言書に「長男に全財産を譲る」と書いてあっても、他の兄弟(相続人)が「自分の遺留分をもらえていない!」と主張(遺留分侵害額請求)すれば、長男は他の兄弟に「現金」を支払わなければなりません。 行政書士がなぜここを強調するかというと、「遺言書があるのに、結局話し合い(争い)が必要になってしまう」という最悪の事態を防ぐためです。 2. 遺留分を侵害しない「黄金の配分」を知る 「誰にどれくらい残せばいいのか」を知るには、まず自分の家族構成における遺留分の割合を把握しましょう。 具体例:子供2人(長男・次男)の場合 この場合、長男に多く残したいのであれば、次男に「全財産の4分の1以上」を渡すように指定すれば、遺留分の問題はクリアされます。 3. 行政書士が実務でチェックする「3つの落とし穴」 計算上は正しくても、実務では以下のポイントでつまずく方が多いです。 ① 「不動産」がメインの場合の注意点 「長男に自宅(3,000万円)、次男に現金(500万円)」とした場合、次男の遺留分が1,000万円だとしたら、500万円足りません。 不動産は評価額が変動するため、行政書士は「将来、次男が不満を持たない現金を添えられるか」を検討します。 ② 「特別受益」を忘れていないか 過去に特定の子供だけに「住宅購入資金」や「結婚資金」を多額に渡している場合、それも相続財産に持ち戻して計算されることがあります。これも遺留分トラブルの火種です。 ③ 債務(借金)の存在 プラスの財産だけでなく、借金も差し引いて遺留分を計算します。ここを見誤ると、配分の比率が崩れてしまいます。 4. プロが勧める「遺留分対策」の合わせ技 もし、どうしても遺留分を下回る配分にしたい場合は、以下の「合わせ技」を提案します。 まとめ:遺言書は「愛のメッセージ」であると同時に「設計図」 行政書士にとって遺言書は、あなたの想いを乗せた「愛のメッセージ」であると同時に、1円の狂いも許されない「相続の設計図」です。 特定の相続人に多く残したいという願いは、決して悪いことではありません。ただ、そのせいで残された人が苦労しないよう、緻密な計算に基づいた配分を指定することが重要です。 「自分の場合はどう配分すれば安全か?」と不安になったら、ぜひ一度、相続の専門家である行政書士にご相談ください。

Read more
遺言書
「特定のひとりに多く残したい」その想いを確実にするために。公正証書遺言が最強な理由

「長年介護をしてくれた長女に、自宅をそのまま譲りたい」 「事業を継ぐ長男に、株式や事業資金を集中させて残したい」 家族の形が多様化する中で、「平等に分ける」ことよりも「特定の人に手厚く残したい」と願うケースが増えています。 しかし、遺言書がない場合や、内容が不十分な場合、その願いは叶わないどころか、家族がバラバラになる「争い」の種になってしまいます。そんなリスクを最小限にし、想いを確実に実現するのが「公正証書遺言」です。 1. なぜ「特定のひとりに残す」なら公正証書なのか? 自分で書く「自筆証書遺言」でも指定は可能ですが、特定のひとりを優遇する内容であればあるほど、公正証書にすることをおすすめします。 ① 「遺言が無効だ!」と言わせない強力な証拠力 特定の人を優遇する遺言が見つかると、他の相続人から「認知症で判断能力がなかったのではないか?」「誰かに無理やり書かされたのではないか?」と疑われるリスクが高まります。 公正証書遺言は、公証役場で専門家(公証人)が本人の意思を確認して作成するため、偽造や無効を主張されるリスクが極めて低いのが特徴です。 ② 手続きが圧倒的にスムーズ 「特定のひとりに全て相続させる」という内容の場合、その相続人は一人で不動産の名義変更や銀行解約が進められます。公正証書であれば「検認(家庭裁判所での確認作業)」も不要なため、死後の負担を大幅に減らせます。 2. 避けては通れない「遺留分(いりゅうぶん)」への対策 特定の相続人に多く残そうとする際、必ずセットで考えなければならないのが「遺留分」です。 公正証書遺言でできる対策 プロ(公証人や弁護士・行政書士)のアドバイスを受けながら、「遺留分に配慮した資産配分」にするか、あるいは「付言事項(ふげんじこう)」を活用して、「なぜこの配分にしたのか」という想いを言葉で添えることで、感情的な対立を防ぐ工夫ができます。 3. 特定の人に残す際の「付言事項」の魔法 公正証書遺言の最後に、「家族へのメッセージ(付言事項)」を添えることができます。実はこれが、不平等な配分をする際の「心の緩衝材」になります。 「長女は仕事を持ちながら、私の介護を10年以上献身的に支えてくれました。その感謝として自宅を彼女に残します。他の兄弟もこの想いを汲んで、仲良く暮らしてほしいと願っています。」 このように書くことで、他の相続人の納得感が高まり、法的な争いを思いとどまらせる効果が期待できるのです。 4. 公正証書遺言作成までの3ステップ 「特定のひとりに残す」ことを決めたら、以下の流れで進めます。 まとめ:想いを「カタチ」にするのが遺言の役割 「誰かに多く残す」ことは、決して「他の人をないがしろにする」ことではありません。 そこには、あなただけの深い理由や感謝があるはずです。 その想いを、法的に間違いのない「公正証書遺言」という形にしておくこと。それが、優遇される相続人を守り、家族全体の平和を守るための、あなたにできる最後の大切な仕事です。

Read more
離婚
離婚後にSNSで悪口を書かれたら?公正証書に「誹謗中傷禁止条項」を入れるべき理由

離婚に関する公正証書 離婚届を出し、ようやく新しい生活が始まった。それなのに、元配偶者のSNSや匿名掲示板で自分と特定できる形で誹謗中傷をされていた……。 「デジタルタトゥー」という言葉がある通り、一度ネットに書き込まれた情報は完全に消すことが難しく、仕事や子供の人間関係にまで悪影響を及ぼすリスクがあります。 こうした「離婚後の嫌がらせ」を防ぐために、行政書士が推奨しているのが公正証書への「誹謗中傷禁止条項(清算条項の強化)」の記載です。 1. 「解決したはず」が火種になるSNS時代 これまでの離婚実務では、最後に「今後はお互いに債権債務がないことを確認する(清算条項)」を入れるのが一般的でした。しかし、現代ではこれだけでは不十分です。 金銭問題は解決しても、感情が収まらない側が「せめて社会的制裁を」と考え、ネット上で以下のような行為に走るケースが増えています。 こうした行為は、名誉毀損や業務妨害に当たる可能性がありますが、裁判を起こすには多大な時間と費用がかかります。 2. 公正証書に盛り込むべき「誹謗中傷禁止条項」の具体例 口約束ではなく、公証人の前で作成する公正証書に「これをやったら契約違反」と明記しておくことが強力な抑止力になります。 3. 【行政書士のアドバイス】「違約金」が最大の盾になる 誹謗中傷に対して「やめてください」と言うだけでは、感情的になっている相手には響きません。しかし、「1回書き込むごとに〇〇万円支払う」という具体的なペナルティが公正証書に記されていれば、相手も踏みとどまる可能性が格段に高まります。 実務上のポイント: 万が一違反があった際、公正証書で「違約金額」を合意しておけば、損害額を証明する手間を省いてスムーズに賠償請求の手続き(民事訴訟等)へ移行しやすくなります。 4. まとめ:未来の平穏を「書面」で買う 離婚は、過去を清算するだけでなく、未来を守るための手続きでもあります。 「まさかあの人がそんなことしないだろう」という油断が、後々の大きな後悔につながることもあります。目に見えるお金の問題だけでなく、目に見えない「名誉」や「心の平穏」も、しっかりと書面に残して守りましょう。 当事務所では、個別の事情に合わせた「誹謗中傷対策条項」の作成をサポートしています。SNS時代の離婚にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

Read more