予備的遺言の重要性:もしも、先に相続人が亡くなってしまったら?

遺言書を作成する際、意外と見落としがちなのが「予備的遺言」の存在です。

例えば、「妻に全財産を相続させる」と遺言書に書いたとします。しかし、もし遺言者本人よりも先に、あるいは同時に奥様が亡くなってしまったら、その遺言はどうなるでしょうか?

実は、その部分は「無効」となり、結局は相続人全員で遺産分割協議をやり直さなければなりません。

こうした「万が一」の事態に備えておくのが「予備的遺言」です。

予備的遺言とは?

「もし、相続させる予定の〇〇が自分より先に亡くなった場合には、代わりに△△に相続させる」といった二段構えの指定をしておくことを指します。

予備的遺言を書いておくべき3つの理由

  1. 遺言書の作り直しを防ぐ 高齢のご夫婦の場合、どちらが先に亡くなるかを予測することは困難です。予備的遺言がないと、配偶者が亡くなった後に慌てて遺言書を書き直す必要がありますが、その時に本人に認知症などの症状が出ていれば、もう書き直すことはできません。
  2. 「争族」の火種を完全に消す せっかく書いた遺言が無効になれば、再び親族間での話し合いが必要になります。予備的遺言は、どんな状況下でも自分の意志を貫くための「保険」になります。
  3. 特定の想いを次世代へ繋ぐ 「長男に継がせたいが、もし長男に万が一のことがあれば、その子(孫)に継がせたい」といった、世代を跨いだ指定が可能になります。

文例のイメージ

遺言書には、このように記載します。

「第1条 遺言者は、遺言者の有する全財産を、妻・〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。

第2条 前条の規定にかかわらず、遺言者の死亡以前に妻・〇〇が死亡していた場合には、遺言者は、第1条の財産を、長男・△△(昭和〇年〇月〇日生)に相続させる。」

最後に

「自分が死んだ後のこと」を考えるだけでも大変な作業ですが、さらに「もしその相手がいなかったら」まで想定しておくのは、非常に心理的ハードルが高いものです。

しかし、この「一行」があるかないかで、残された家族の負担は劇的に変わります。 当事務所では、こうした「万が一のさらに万が一」までを想定した、漏れのない遺言作成をサポートしています。

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