「払ってくれない」を防ぐ特効薬。離婚や示談の書面に必ず入れたい「遅延損害金」のルール


「毎月の養育費が遅れがちになっている」 「示談金の分割払いが、いつの間にか止まってしまった」

お金を支払う約束をした際、最も怖いのは相手の「支払い遅延」です。そんな時、相手に「遅れたら損をする」と強く意識させ、支払いの優先順位を上げさせるための強力なルールが「遅延損害金」です。

今回は、合意書や公正証書に必ず盛り込んでおきたい、遅延損害金の重要性について解説します。

1. 遅延損害金とは「期限を守らなかったペナルティ」

遅延損害金とは、金銭の支払いが約束の期日よりも遅れた場合に、その遅滞期間に応じて発生する損害賠償金のことです。いわば「利息」のようなものですが、目的は「期限を守らせるための強制力」にあります。

もし書面に遅延損害金の定めがない場合でも、法律(民法)で定められた「法定利率」が適用されますが、あえて書面に明記することには大きな意味があります。

2. 利率はどう決める?「法定利率」と「約定利率」

遅延損害金の利率には、大きく分けて2つの種類があります。

  • 法定利率(民法): 特に定めがない場合に適用される利率です。現在は年3%(※3年ごとに見直し)となっています。
  • 約定利率: 当事者間の合意で決める利率です。法定利率よりも高く設定するのが一般的です。

ポイント: > 相手へのプレッシャーを強めるために、年5%〜10%程度に設定するケースが多いですが、利息制限法などの制限を超えないよう注意が必要です。

3. 「期限の利益喪失条項」とのセット運用が鉄則

遅延損害金とセットで必ず入れるべきなのが、「期限の利益喪失条項」です。

これは「1回でも(あるいは2回)支払いを遅延したら、残っている分割金を一括で支払わなければならない」というルールです。 これに遅延損害金を組み合わせることで、 「遅れると、残金を一括で払わされた上に、高い利息まで上乗せされる」 という状況を作り出し、相手が「絶対に遅れられない」と思う心理的環境を整えます。

4. 行政書士が作成する書面には「重み」がある

ご自身で「遅れたら利息をつける」と伝えるだけでは、相手に軽くあしらわれてしまうかもしれません。しかし、公証役場で作る「公正証書」にこの条項が入っていると、その法的な重みは一変します。

  • 公正証書にしていれば: 遅延損害金を含めた全額を、裁判なしですぐに差し押さえ(強制執行)の対象にできます。
  • 正確な計算: 「いつから、いくらの利率で発生するか」を法的に厳密な言葉で記載することで、後からの言い逃れを封じます。

おわりに:最後まで「確実」に受け取るために

合意書を作る目的は、単に「いくら払うか」を決めることではありません。「最後まで、滞りなく支払わせる」ことにあります。

当事務所では、万が一の事態まで見据え、あなたの大切な権利を守るための緻密な書面作成を行っています。

「相手が本当に払い続けてくれるか不安」 「適切な利率設定について教えてほしい」

という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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