「争いがない」なら行政書士も選択肢?弁護士特約を活用して示談書を作るメリットと注意点

はじめに

トラブルの当事者間で賠償額などの条件がまとまった際、最後に欠かせないのが「示談書(合意書)」の作成です。 「自分で作るのは不安だけど、弁護士に交渉を頼むような争いはない……」 そんなとき、ご自身が加入している自動車保険や火災保険の「弁護士費用特約」が、行政書士への依頼費用をカバーできるケースがあります。

特約の対象範囲や運用は保険会社によって異なりますが、書類作成の専門家である行政書士を賢く活用することで、スムーズな解決が期待できます。


1. 「経済的利益125万円以下」の基準と費用の考え方

多くの損害保険会社が指針としている「LAC(ラック)基準」では、経済的利益(受け取る賠償金額など)が125万円以下の場合、着手金の上限が10万円とされているのが一般的です。

この「10万円」という枠組みにおいて、行政書士への依頼は以下のようなメリットが考えられます。

  • 自己負担を抑えた専門家サポート: 弁護士に依頼する場合、少額案件であっても着手金が10万円を超えることがあり、特約の範囲を超えた分が自己負担になる可能性があります。
  • 書類作成に特化したコストパフォーマンス: 行政書士による示談書の作成やリーガルチェックは、多くの場合この10万円前後の予算内で収まります。「特約の範囲内で、実質的な持ち出しなくプロに書面を整えてもらう」という選択がしやすいのが特徴です。

2. 行政書士に依頼する実務的なメリット

  1. 将来の紛争リスクを抑える「正確な書面」 個人で作る書面では漏れがちな「清算条項(後日、追加請求を行わない約束)」などを法的に適切な表現で盛り込むことができます。
  2. 円満な合意を促す「第三者の視点」 「専門家が作成した正式な書類」を提示することで、相手方も内容を信頼しやすく、署名・捺印の手続きが心理的にスムーズに進む傾向があります。
  3. 「争いがない=特約が使えない」とは限らない 「相手ともめていないから特約は出ないのでは?」と思われがちですが、合意内容を法的な書面に残すための費用として認められるケースもあります。

3. 相談前に必ず確認したい「2つのポイント」

特約を利用して行政書士に依頼する際は、以下のステップを踏むことが重要です。

  • ポイント①:保険会社への事前確認 特約の適用判断は、最終的には各保険会社の約款や担当者の判断によります。まずは「争いはないが、正式な示談書作成を行政書士に依頼したい。書類作成費用として特約の対象になるか」を保険会社へ確認してください。
  • ポイント②:特約の扱いに慣れた事務所選び 行政書士事務所へ相談する際も、「弁護士特約(LAC基準など)での受任経験があるか」「特約の範囲内での業務設計が可能か」を確認すると、その後の手続きが非常にスムーズになります。

まとめ:賢い特約活用で安心な解決を

せっかく加入している特約ですから、納得のいく形で活用したいものです。

「交渉は不要だが、書面だけはプロに任せたい」というフェーズにおいて、行政書士は非常に心強い存在となり得ます。まずは、お手元の保険証券を確認し、保険会社と行政書士事務所の両方へ「特約の利用」について相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。


※弁護士費用特約の対象範囲(行政書士費用の可否、上限額など)は、保険会社やご契約の約款により大きく異なります。必ず依頼前にご自身の保険会社から承諾を得るようにしてください。

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