【争族を防ぐ】遺言書は「公正証書」で作るべき理由と行政書士の活用法
行政書士の濱口です。
相続が「争族(そうぞく)」や「争続」と揶揄されるように、ご家族間でトラブルになるケースは後を絶ちません。残されたご家族が円満に手続きを進めるためには、「遺言書」の作成が非常に重要であり、近年ではより確実性の高い「遺言公正証書」を作成される方が増加しています。
本記事では、遺言や相続に関する業務を扱う行政書士の視点から、公正証書遺言のメリットと、スムーズな相続準備のポイントを解説します。
1. なぜ「公正証書遺言」が選ばれるのか?
遺言書にはご自身で手書きする「自筆証書遺言」などいくつか種類がありますが、実務上最もおすすめなのが「公正証書遺言」です。 公正証書は、法務省・法務局の所管である公的機関「公証役場」において、中立・公正な立場である公証人によって作成されます。
最大のメリットは以下の点です。
- 確実性と安全性: 法律の専門家である公証人が作成するため、形式の不備などで遺言が無効になるリスクがありません。中立・公正な公証人が作成する有効確実な書面を残すことにより、将来の争いを未然に防ぐことができます。
- ご相談は無料・秘密厳守: 公証役場でのご相談はいつでも、どこの公証役場でも無料で行うことができ、個人の秘密も厳守されます。
2. 遺言・相続における行政書士の役割
私たち行政書士は、「街の法律家」として、皆様の遺言・相続に関するお悩みを多角的にサポートいたします。
- 遺言書の原案作成とコンサルティング: お客様の財産状況やご家族への想いを丁寧にヒアリングし、法的に有効かつ、ご家族の負担が少ない遺言書の原案を起案します。
- 公証役場での手続きサポート: 公正証書遺言を作成する際には証人が2名必要となりますが、行政書士が証人として立ち会うことも可能です。公証人との事前打ち合わせも代行するため、お客様の精神的・時間的な負担を大幅に軽減できます。
- 遺産分割協議書の作成: 遺言書がないまま相続が発生した場合でも、相続人全員の合意内容をまとめた「遺産分割協議書」の作成を通じて、円滑な手続きを支援します。
3. 【重要】他士業との連携と「やってはいけない」注意点
行政書士は遺言書の作成サポートや遺産分割協議書の作成を得意としていますが、法律により対応できない業務(非弁行為・他士業法違反等の禁止)が存在します。行政書士は、この境界線を厳格に守り、必要な場面では適切な専門家と連携します。
- 不動産の「相続登記」について: 令和6年4月より相続登記の申請が義務化されましたが、法務局への不動産の登記申請代理は「司法書士」の独占業務です。行政書士が登記申請を行うことはできません。当事務所では、遺言に基づく相続手続きや遺産分割協議が整った後、速やかに信頼できる提携司法書士へ引き継ぎ、ワンストップで完了できる体制を整えています。
- 法的紛争(トラブル)の解決について: すでに相続人間で激しい争いが生じており、調停や裁判等での交渉・代理行為が必要な場合は、「弁護士」の専権業務となります。法的トラブルに発展、あるいはその可能性が高いと判断した場合は、速やかに弁護士をご紹介いたします。
まとめ
遺言書の作成は、大切なご家族に「安心」を残すための最良の手段です。公証役場を利用した確実な遺言書の作成や、遺産分割協議書の作成など、相続への備えをご検討中の方は、ぜひ一度行政書士にご相談ください。コンプライアンスを遵守し、皆様の円満な相続を全力でサポートいたします。

