【事例紹介】公正証書遺言があったから助かった!親族トラブル(争族)回避の裏側を行政書士が解説
皆様、はじめまして。行政書士の濱口です。
相続が、時に親族間で骨肉の争いとなる「争族(そうぞく)」や「争続」と揶揄されることはご存知でしょうか。 今回は、実務家としての経験(※守秘義務のため内容は一部変更・抽象化しています)をもとに、「公正証書遺言」があったからこそ、ご家族の絆が守られたケースをご紹介します。
1. 【事例紹介】同居する長男と、離れて暮らす兄弟のケース
あるお父様(被相続人)からのご相談でした。財産の大部分が「現在長男と同居している自宅不動産」であり、預貯金はわずかという状況です。 お父様は、「自分の死後、家を売って兄弟で分けるようなことになれば、長男家族が住む場所を失ってしまう。自宅はすべて長男に相続させたい」と希望されていました。
もし遺言書が全くなかったり、不備のある自筆証書遺言しか残されていなかったりした場合、ご兄弟間で「法定相続分どおりにきっちり分けよう」という主張がぶつかり合い、最悪の場合は自宅を売却せざるを得ない「争族」に発展するリスクが高いケースでした。
2. 争族を防いだ「公正証書遺言」の力
そこで、お父様には公証役場での「公正証書遺言」の作成をご提案し、無事に手続を完了しました。
公証役場・公証人は法務省・法務局が所管する公的機関であり、中立・公正な公証人が有効かつ確実な書面を作成して残すことで、将来の争いを未然に防ぐことができます。「親父は無理やり書かされたのではないか」「認知症で意思能力がなかったはずだ」といった無効の主張をされるリスクを極めて低く抑えられます。
結果として、お父様が亡くなられた後も、公証人が作成した確固たる書面があったことでご兄弟も「お父さんの明確な意思だったんだな」と納得されました。また、家庭裁判所での検認手続きも不要なため、速やかに長男への名義変更へと進むことができたのです。
3. 実務家(行政書士)の視点とサポート体制
公証役場におけるご相談は、いつでも、どこの公証役場でも無料で行うことができ、個人の秘密も厳守されます。しかし、「公証人にどう事情を説明すればいいか分からない」「平日に何度も役場に足を運ぶ時間がない」という方も多くいらっしゃいます。
私たち行政書士は、「遺言・相続」に関する書類作成や手続きサポートのプロフェッショナルです。お客様のご希望を法的に整理して原案を作成し、公証人との事前打ち合わせや、必要となる証人(2名)としての立会いまでをフルサポートいたします。
【※重要:他士業との連携(コンプライアンス)】 手続きを進める上で、私たち行政書士は法律の範囲を厳守し、必要に応じて他士業の専門家と連携します。
- 不動産の相続登記: 令和6年4月から申請が義務化された「不動産の相続登記(名義変更)」については、司法書士の専門業務となります。遺言書に基づく実際の登記申請のフェーズでは、提携する司法書士へスムーズに引き継ぎます。
- 親族間の紛争対応: 万が一、遺留分の請求などで親族間に激しい法的トラブルが生じてしまった場合、その交渉や調停などの代理行為は弁護士の専権業務となります。
まとめ
「うちにはもめるほどの財産はないから」とおっしゃるご家庭ほど、分けにくい不動産などが原因でトラブルになるケースが後を絶ちません。大切なご家族の平和を守るため、安全・安心な「公正証書遺言」の作成をぜひご検討ください。

