【貸し倒れを防ぐ】個人間の借金も「公正証書」に!金銭消費貸借契約を公正証書にするメリットと注意点

金銭の貸し借りについてお悩みの皆様、はじめまして。行政書士の濱口です。
親族や友人、あるいは個人間でお金の貸し借りをする際、市販の「借用書」にサインをして終わらせていませんか?数万円程度ならまだしも、数百万円といった高額な貸し借りの場合、単なる借用書(私製文書)では「言った・言わない」のトラブルや、最悪の場合は貸し倒れ(返済されない)のリスクが非常に高くなります。
今回は、高額な貸し借りにおいて必須とも言える「金銭消費貸借契約の公正証書化」について、その強力なメリットと行政書士を活用する際の注意点を解説します。
1. 金銭消費貸借契約とは?なぜ公正証書が必要か
金銭の貸し借りに関する契約を法律用語で「金銭消費貸借契約」と呼びます。 個人間であっても、高額なお金が動く場合は、将来の返済トラブルを防ぐためにこの契約を「公正証書」として残しておくことが極めて重要です。
公証役場は法務省・法務局が所管する公的機関であり、中立・公正な立場である法律の専門家(公証人)が有効かつ確実な書面を作成します。これにより、後になって「そんな書類にサインした覚えはない」「脅されて書かされた」といった争いを未然に防ぐことができます。
2. 最大のメリットは「裁判なしでの強制執行」
借用書を公正証書にする最大のメリットは、万が一返済が滞った際に「裁判を経ずに強制執行(財産の差し押さえ)ができる」という点です。
自分たちで作った単なる借用書の場合、相手が返済してくれなければ、裁判を起こして勝訴判決を得るという長い時間と費用をかけなければ、財産を差し押さえることはできません。 しかし、公証役場で作成する公正証書の中に「支払いが遅れたら強制執行を受け入れても異議はありません」という「執行認諾文言」を入れておくことで、裁判をスキップして公証役場で「執行文付与申立て」を行い、そのまま相手の給与や預貯金の差し押さえ手続きに進むことが可能になります。
この強力な効力があるからこそ、相手への強い心理的プレッシャーとなり、不払いを防ぐ最大の抑止力となるのです。
3. 行政書士の役割とコンプライアンス(注意点)
「相手も公正証書を作ることに同意しているが、どう手続きを進めればいいかわからない」という場合は、ぜひ行政書士にご相談ください。 公証役場でのご相談はいつでも、どこの役場でも無料で行うことができ、秘密も厳守されますが、行政書士に依頼することで以下のサポートを受けられます。
- 法的に的確な原案の作成: 返済期日や利息、遅延損害金などの条件を的確にまとめ、法的に穴のない契約書の原案を作成します。
- 公証人との事前調整代行: 公証役場との打ち合わせや必要書類の準備を代行するため、お客様の手間を大幅に省くことができます。
【※重要:他士業との連携と注意点(非弁行為等の禁止)】 行政書士は「予防法務」の専門家として書類作成をサポートしますが、法律により以下の業務は行うことができません。
- 相手方との直接交渉・返済の督促(弁護士法): 相手が借金の返済を拒否しており、激しいトラブルになっている場合や、代わりに借金の取り立て(交渉)を行うことは「弁護士」の専権業務です。
- 実際の強制執行手続の代理: 支払いが滞り、裁判所へ差し押さえ(民事執行手続)を申し立てる際の手続き代理は行政書士では行えません。
行政書士は、これらのコンプライアンスを厳格に守り、トラブルに発展している事案については速やかに弁護士等の適切な専門家をご案内します。
まとめ
「親しい間柄だから」と借用書だけで大金を貸してしまうのは非常に危険です。あなたの大切な財産を守り、後々の人間関係のトラブルを防ぐためにも、高額な貸し借りには「公正証書」の作成が必須です。金銭トラブルの不安を未然に防ぐための第一歩として、お近くの行政書士へお気軽にご相談ください。

