パワハラの慰謝料・損害賠償はいくら請求できる?通院費や休業損害の一般的な算定方法

職場での理不尽なパワハラによって心身に不調をきたし、退職や休職を余儀なくされたとき、受けてしまった不利益に対して「金銭的な補償(損害賠償)」を求める意思表示を書面で行うことがあります。

「内容証明郵便で損害賠償を請求したいけれど、相場はいくらくらいなのだろう?」 「病院の通院費や、休んだ分の給料も請求に含めていいのだろうか?」

このように、具体的な金額の基準について疑問を持つ方は非常に多いです。損害賠償の請求書面を作成する際には、感情任せの金額ではなく、一般的な法的な枠組みや客観的な数字を整理しておくことが大切です。

今回は、パワハラ被害に遭われた方が知っておくべき「損害賠償・慰謝料の一般的な算定基準と内訳」について、客観的な知識を解説します。

1. パワハラにおける損害賠償の「3つの主な内訳」

一般的な裁判例などにおいて、パワハラ行為によって発生した損害を主張する際、主な要素として構成されるのは以下の3つです。これらをお客様ご自身で整理し、合計した金額を書面に反映させていくことになります。

① 精神的苦痛に対する「慰謝料」

ハラスメントという行為によって受けた、精神的なダメージに対する賠償金です。 一般的な過去の指標や目安としては、パワハラの期間や程度によって異なりますが、数十万円から数百万円(一般的には20万円〜50万円、重度の精神疾患を患った場合は100万〜300万円程度)の間で算定されるケースが多い傾向にあります。

② 加療に要した「医療費・通院交通費」

パワハラが原因で心療内科や精神科に通院することになった場合、その診察料、投薬処方費用、カウンセリング料、および病院を往復するための交通費(実費)が挙げられます。これらを請求の根拠にするためには、ご自身で領収書をすべて保管し、合計額を確認しておく必要があります。

③ 休まざるを得なかった期間の「休業損害」

パワハラによる体調不良で仕事を休まざるを得なくなり、その期間の給与が減額されたり、無給になったりした場合、その減少分が休業損害として考えられます(※労災保険や傷病手当金を受給している場合は、その支給分を差し引いて計算します)。

2. 万が一、働けなくなった場合の「逸失利益」という考え方

パワハラによる精神的なダメージが深刻で、うつ病などを発症し、将来にわたってそれまで通りに働くことが難しくなってしまった場合(就労不能・労働能力喪失)、「逸失利益(いっしつりえき)」という損害の考え方が適用されることがあります。

逸失利益とは、「もしパワハラがなければ、将来得られていたはずの利益(給与)」のことです。

若い世代の看護師、介護士、保育士の方などの場合、この逸失利益を含めると、全体の損害額が大きくなるケースがあります。ただし、これらを厳密に立証・請求するためには、医師による専門的な診断や、高度な法的評価(弁護士の範疇)が必要になります。

3. 行政書士が作成する「内容証明郵便」の正確な役割

当事務所のような行政書士(書面作成の専門家)は、お客様ご自身が算出・希望された請求金額や、集められた領収書等の実費データに基づき、それらを内容証明郵便の文面に正確な「意思表示」として落とし込む業務を行っています。

ここで、行政書士の業務範囲について、お客様にご誤解のないよう大切なポイントを説明いたします。

  • 行政書士は「金額の算定や妥当性の判断」は行いません: 「私のケースではいくら請求するのが妥当か」「いくらなら相手が払うか」といった具体的な金額の算出やリーガルアドバイス、交渉の見通しを立てる行為は、行政書士の職権範囲外(弁護士法に抵触する恐れがあるため)となります。あくまで、お客様ご自身の責任において決定された金額を、書面に正しく記載する役割を担います。
  • 書面による明確な意思表示の記録: 国(郵便局)が内容を証明する形式で送るため、お客様が「医療費〇〇円、休業損害〇〇円、慰謝料〇〇円、合計〇〇円を請求する」という意思をいつ相手方に示したのか、という事実を客観的に残すことができます。

まとめ:ご自身がまとめた数字を、確実な書面に反映させましょう

パワハラによる損害の補償を求める手続きは、感情だけで進めても、相手方に真摯に受け止めてもらえないケースが多々あります。まずは冷静に、領収書や給与明細、診断書といった資料をご自身で集め、具体的な数字を整理していくことが、権利を主張するための大切な第一歩です。

当事務所(行政書士濱口事務所)では、行政書士の業務範囲(書面作成)を厳格に遵守し、お客様が決定された主張内容や金額を、法的に整理された正確な内容証明郵便へと翻訳・作成するサポートを行っております。

「自分の希望する請求内容を、間違いのない確実な書面にしたい」という方は、ぜひ当事務所の書面作成業務をご利用ください。一歩を踏み出すお手伝いをいたします。

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