パワハラを放置する病院・施設は違法!「安全配慮義務違反」に対して法的根拠のある書面で意思表示をする方法

職場でのパワハラに直面したとき、多くの人が「上司と自分」という個人間のトラブルだと考えてしまいがちです。
「師長に目をつけられてしまったから、自分が耐えるか辞めるしかない」 「主任の性格が悪いから、運が悪かったと諦めるしかない」
しかし、本当にそうでしょうか?法律の視点から見ると、職場でのハラスメント問題において、その状況を把握していながら見て見ぬふりをし、放置している「病院・施設(法人経営陣)」の組織としての責任(義務違反)も見過ごせません。
今回は、パワハラを放置する組織に対して、労働者が正当な主張を行う際のベースとなる法律知識「安全配慮義務(あんぜんはいりょぎむ)」について、行政書士の視点から分かりやすく解説します。
1. 病院や施設が負うべき「安全配慮義務」とは?
私たちが会社や法人と労働契約を結んで働くとき、雇い主側には単に「給料を払えばいい」というだけでなく、職員を守るための重大な義務が法律で課されています。それが、労働契約法第5条に定められている「安全配慮義務」です。
【労働契約法第5条(安全配慮義務)】 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
この「生命、身体等の安全」には、ケガや事故の防止だけでなく、「パワハラなどのハラスメントによって、職員が精神疾患(うつ病など)に追い込まれないように、メンタルヘルス面での安全な労働環境を整えること」も明確に含まれています。
つまり、現場でパワハラが横行し、職員が心身を病んでいくような環境を放置している場合、病院や施設は法律が定める重大な義務を果たしていないという指摘を免れません。
2. 組織の義務と責任を決定づける「2つの法律」
さらに、法律は組織に対してハラスメント対策を具体的に求めています。
① パワハラ防止法(労働施策総合推進法)の義務
すべての法人に対し、職場におけるパワハラを防止するための「相談窓口の設置」や「適切な事後対応(速やかな事実確認、加害者への処分、被害者の保護措置)」が明確に義務付けられています。 あなたが勇気を出して本部の窓口や施設長に相談したにもかかわらず、「現場でうまくやってよ」「大ごとにしないで」などと対応を後回しにされた場合、法人はこの法律に定められた義務を怠っていることになります。
② 使用者責任(民法第715条)
民法には「使用者責任」という規定があります。これは、「部下が仕事の範囲内で他人に損害を与えた場合、その雇い主(法人)も責任を負いなさい」というルールです。 看護師長や介護主任、保育園の園長といった管理職が、その職権(立場)を利用して部下を精神的に追い詰めた場合、雇い主である医療法人や社会福祉法人は、加害者個人と並んで責任の矢印を向けられる対象となります。
3. 行政書士が作成する「内容証明郵便」の役割
施設や法人が動いてくれないとき、個人が口頭でいくら訴えても、担当者のレベルで聞き流されてしまうケースが少なくありません。そこで、ご自身の正当な言い分や事実関係を、組織のトップ(理事長や代表取締役)へ正確に届けるための確実な手段となるのが、行政書士が作成する「内容証明郵便」です。
行政書士は、お客様ご自身の意思やこれまでの被害事実を、法的な根拠(安全配慮義務違反や使用者責任の指摘)に基づいて整理し、論点を明確にした1通の書面に翻訳・作成いたします。
内容証明郵便が法人の代表者宛てに届くことで、経営陣は初めて「現場でこれほど深刻な事態が起きているのか」「法的なリスクを孕んだ問題である」という事実を客観的に認識することになります。
行政書士は相手方との交渉や間に入っての仲裁を行うことはできませんが、「事実を組織のトップへ公的に突きつけ、お客様ご本人が毅然とした態度で意思表示を行う」ための土台を書面の力で強固に構築し、相手方に適切な対応を促すことができます。
まとめ:あなたの正当な言い分を、確実な書面に落とし込む
「巨大な病院や法人を相手に、一職員である自分が声を上げても無駄ではないか」と諦める必要はありません。組織に対してあなたの主張を正確に伝えるためには、感情論ではなく、法律に則った正しい書面手続きを踏むことが何より大切です。
当事務所では、皆様からお伺いした被害の事実を元に、法人の「安全配慮義務」の観点を盛り込んだ内容証明郵便を作成します。
行政書士の業務範囲(書面作成)を遵守し、細心の注意を払いながら、皆様の新しい一歩をサポートいたします。まずは一度、あなたの置かれている状況をお聞かせください。

