過去の御恩は裏切らない|当事務所が「利益相反(りえきそうはん)」によるご依頼をお断りする理由
看護師、介護士、保育士の皆様に向けた、パワハラ対策と内容証明郵便に関する連載も、今回がいよいよ最終回となります。
これまで、証拠の集め方や組織の法的責任、行政書士の職権範囲について詳しく解説してきました。最後に、当事務所(行政書士濱口事務所)が法律家としてのモラルとして何よりも大切にしている、ある「厳しい約束」についてお話しさせてください。
それは、「利益相反(りえきそうはん)」にあたるご依頼は、たとえどのような高額な報酬であっても一律でお断りする、という約束です。
このルールを徹底することこそが、過去に当事務所を信頼してくださったお客様、そしてこれからご相談いただくお客様に対する、専門家としての最大の誠実さの証明になると考えています。
1. 「利益相反(りえきそうはん)」とは何か?
利益相反とは、一言で言えば「一方の味方をすることで、もう一方の利益を損なってしまうような、対立する関係性」のことです。
例えば、ある病院の経営陣から「契約書を作ってほしい」という正当なご依頼をいただき、当事務所が過去にそのサポートをしていたとします。その後、その病院に勤める看護師の方から「この病院の師長からパワハラを受けたので、理事長宛てに内容証明郵便を書いてほしい」というご相談をいただいた場合、これが「利益相反」に該当します。
なぜなら、当事務所にとっては「過去にお世話になった病院(法人)」と「新しくご相談にこられた看護師(個人)」の両者が、法的な主張において対立する可能性がある立場になってしまうからです。
2. なぜ、利益相反の依頼を断ることが「あなたを守る」のか?
行政書士法や士業の倫理規程において、このような利益相反行為は厳格に禁止されています。しかし、それ以上に当事務所がこのルールを徹底しているのは、「お客様の秘密と信頼を、何があっても裏切らないため」です。
もし、利益相反を気にせずどちらの依頼も受けてしまうような事務所があったらどうなるでしょうか。 「過去に病院側の内部事情を知っている行政書士が、今度は労働者側の書類を作る」あるいはその逆が起きれば、どちらか一方のお客様の守秘義務や情報が不当に利用されてしまうリスクが生じます。それでは本当の意味でお客様の「盾」になることはできません。
当事務所は、過去にご依頼いただいたお客様との信頼関係を損なうような対応はいたしません。
だからこそ、これから当事務所にパワハラ内容証明の作成をご依頼いただく読者の皆様に対しても、「お引き受けした以上は、あなたの正当な主張に誠実に向き合い、後から相手方側の利益のために行動することはない」と、胸を張ってお約束できるのです。
3. 誠実な専門家であり続けるために
当事務所では、新しいご相談をいただく際、必ず事前に「相手方の法人名や加害者のお名前」を確認させていただくプロセスを設けています。これは、万が一にも利益相反が発生していないかを厳格にチェックするためです。
チェックの結果、もし過去のクライアント様と対立する関係になることが判明した場合は、大変心苦しいのですが、ご依頼をお断りさせていただきます(その際も、守秘義務は完全に守られますのでご安心ください)。
このような規律の下で、当事務所は内容証明郵便作成業務を遂行しております。。

