売掛金回収で困らないために|契約書に必ず入れたい3つの重要条項
ビジネスにおいて「売掛金が回収できない(貸し倒れ)」という事態は、資金繰りを悪化させる大きな原因になります。回収のために費やす労力や精神的負担は計り知れません。
だからこそ、トラブルが起きてから対処するのではなく、「未然に防ぐための対策(予防法務)」が非常に重要です。その最大の武器となるのが「契約書」です。
今回は、売掛金の未回収リスクを減らすために、契約書に必ず盛り込んでおきたい3つの重要条項について解説します。
1. 口約束は危険!貸し倒れを防ぐ最大の武器は「契約書」
長年の付き合いがある取引先や、急ぎの案件などでは、つい「口約束」や「簡単な発注書のみ」で仕事を進めてしまうことがあります。しかし、いざ支払いが滞ったときに契約書がないと、「言った・言わない」の水掛け論になり、法的な請求や交渉が非常に難しくなります。
しっかりとした契約書を作成し、事前にお互いのルールを明確にしておくことは、取引条件を明確化し、双方の認識違いを防ぐ効果があります。これにより、未払いトラブルそのものを未然に防ぎやすくなります。
2. リスクを減らすために契約書へ入れるべき3つの条項
では、具体的にどのような条項があれば「トラブルに強い契約書」になるのでしょうか。特に売掛金回収の観点から重要な3つの条項をご紹介します。
① 期限の利益喪失条項
「期限の利益」とは、簡単に言えば「支払期日までは支払いを待ってもらえる権利」のことです。分割払いや継続的な取引の場合、もし相手が1回でも支払いを遅らせた場合、この権利を失わせる(=残りの金額を今すぐ全額一括で支払えと請求できる)ルールが「期限の利益喪失条項」です。 この条項がないと、相手の経営状態が悪化しているのが明らかでも、毎月の期日が来るまで分割分ずつしか請求できず、結果的に取りっぱぐれるリスクが高まります。
② 遅延損害金に関する条項
支払いが遅れた場合のペナルティとして、「遅延損害金を支払う」という条項を定めます。 法律上、契約書に記載がなくても一定の割合(法定利率)で請求することは可能です。しかし、契約書において法律上認められる範囲内で具体的な利率を明記しておくことで、「遅れると余計にお金を払わなければならない」という意識を持たせ、優先的な支払いを促す効果が期待できます。
③ 契約解除と所有権留保に関する条項
相手の支払いが滞ったり、信用不安(手形の不渡りや差押えを受けたなど)が生じたりした場合に、こちらからすぐに契約を解除できる条項です。 また、物品の販売などであれば「代金が完済されるまでは、商品の所有権は売り手(自社)に残る」とする所有権留保(しょゆうけんりゅうほ)の条項も有効です。商品の性質や保管状況によっては回収が難しい場合もありますが、所有権留保を定めておくことで、万が一の際の被害を軽減できる可能性があります。
3. インターネットの「ひな形」をそのまま使う危険性
最近はインターネット上で無料でダウンロードできる契約書のひな形(テンプレート)が多く出回っています。しかし、それをそのまま使うのはおすすめしません。
なぜなら、ひな形はあくまで「一般的なケース」を想定したものであり、貴社のビジネスモデルや、特定の取引先が抱えるリスクに完全に対応しているわけではないからです。自社を守るべき重要な条項が抜け落ちていたり、逆に自社にとって不利な条件が含まれていたりするケースが散見されます。
契約書は「相手を信用していないから作るもの」ではありません。万が一の認識違いやトラブルを防ぎ、長く良好な取引関係を続けるためのルールブックです。
4. まとめ:トラブルに強い契約書作成は当事務所にお任せください
売掛金の回収トラブルは、事前の「契約書の作り込み」によってその大半を防ぐ、あるいは被害を最小限に食い止めることが可能です。経営者の皆様が安心して本業に専念できるよう、契約書による「予防法務」をぜひ取り入れてください。
行政書士濱口事務所では、売買契約書、業務委託契約書など、企業間取引における各種契約書の作成・リーガルチェックを承っております。貴社の事業内容や取引の実態を丁寧にヒアリングした上で、将来のトラブルを未然に防ぐための「自社専用の契約書」を作成いたします。
「現在使っている契約書に不安がある」「新しく取引を始める前に契約書を作りたい」という方は、どうぞお気軽に行政書士濱口事務所までご相談ください。

