【特殊詐欺対策】警察も呼びかける「国際電話の利用休止」とは?

「+1」などから始まる国際電話を悪用した特殊詐欺が急増しています。警察署も呼びかける「固定電話の国際電話利用休止」は詐欺対策として非常に有効です。手続きの概要や防犯対策のポイント、最寄りの警察署への相談について解説します。
最近、ご自宅の固定電話やスマートフォンに「+1」や「+44」など、見慣れない「+」から始まる番号から着信が入ったことはありませんか?
現在、海外を経由した国際電話番号を悪用し、警察官や総務省、大手通信会社などをかたる特殊詐欺(還付金詐欺・架空請求詐欺など)が全国的に急増しています。
各地の警察署でも、被害を未然に防ぐための有効な防犯手段として「国際電話の発着信休止」の呼びかけが強化されています。今回は、市民の安心・安全な暮らしを法務面から見守る行政書士の視点から、この対策がなぜ有効なのか、具体的な手続きについて分かりやすく解説します。
1. なぜ「国際電話の利用休止」が詐欺対策に有効なのか?
従来の特殊詐欺は国内の携帯電話やIP電話が使われていましたが、警察による取り締まりや本人確認が厳格化した結果、詐欺グループは海外の通信回線を悪用して日本国内へ電話をかける手口へと移行しました。
- 「+」から始まる番号はすべて国際電話(例:「+1」はアメリカ・カナダなど)
- 自動音声ガイダンスで「未納料金がある」「あと2時間で電話が止まる」と脅してくるケースが多発
- 普段、海外と通話する用事がないご家庭にとっては、かかってくる国際電話のほとんどが迷惑電話や詐欺電話という実態
つまり、「最初から国際電話がつながらない状態にしておく(入口でシャットアウトする)」ことが、最も確実で物理的な防犯対策になります。
2. 固定電話の「国際電話利用休止」手続きとは?
NTT東日本・NTT西日本などの固定電話(ひかり電話を含む)をご利用の場合、簡単な手続きで海外への発信・海外からの着信をストップさせることができます。
- 費用: 原則無料(工事費・月額利用料などはかかりません)
- 対象: 主に一般家庭の固定電話回線
- 申請窓口:
- 「国際電話不取扱受付センター」への電話またはWEB申請
- ご契約中の各通信事業者(NTT、KDDI、ソフトバンク等)の窓口
普段の国内通話には一切影響が出ないため、海外にお住まいのご家族・ご親戚等との連絡予定がない場合は、設定しておいてデメリットがありません。
3. 高齢のご家族がいる世帯は特に注意が必要です
特殊詐欺の標的になりやすいのが、日中ご自宅にいることが多い高齢者世帯です。
「警察署の捜査二課ですが」「裁判所から重要なお知らせです」などと落ち着いた口調や自動音声で語りかけられると、冷静な判断ができず、不安から指示通りにお金を振り込んでしまう被害が後を絶ちません。
ご実家のご両親や高齢のご家族がいる方は、ぜひ一度「国際電話の利用休止設定をしているか」を確認し、設定をサポートしてあげることをおすすめします。あわせて、通話録音機能付きの電話機や迷惑電話防止機能の導入も効果的です。
4. 不安な場合は最寄りの警察署や相談窓口へ
「見知らぬ番号から怪しい電話がかかってきた」
「身に覚えのない請求のガイダンスが流れた」
「国際電話の休止手続きをどう進めればよいか分からない」
このような場合は、一人で悩んだり折り返しの電話をかけたりせず、最寄りの警察署(生活安全課など)や警察相談専用電話「#9110」へ相談・問い合わせをしてください。 各警察署でも注意喚起や対策の案内を行っています。
まとめ:事前の対策で大切な財産を守りましょう
特殊詐欺の被害に遭ってしまうと、騙し取られた金銭の回収は法的手続きをもってしても極めて困難なケースが多いため、「被害に遭う前の予防」が何よりも大切です。
国際電話の休止は、費用をかけずにすぐできる強力な防犯対策です。ぜひこの機会にご家庭の電話設定を見直してみてください。

