【行政書士が教える】「遺留分」を侵害しない遺言書の作り方|特定の人に多く残すための黄金比とは?
「お世話になったあの人に多く残したい。でも、家族で揉めるのは絶対に嫌だ」 遺言書作成の相談を受ける際、最も多く寄せられるのがこのお悩みです。
特定の相続人を優遇する遺言を書くとき、行政書士が必ずといっていいほどアドバイスするのが「遺留分(いりゅうぶん)への配慮」です。
今回は、行政書士の目線から、争いを防ぎつつ想いを叶える「遺留分を侵害しない配分指定」のポイントを徹底解説します。
1. 行政書士が「遺留分」を重視する理由
遺留分とは、一定の相続人に法律上保障された「最低限の取り分」のことです。 たとえ遺言書に「長男に全財産を譲る」と書いてあっても、他の兄弟(相続人)が「自分の遺留分をもらえていない!」と主張(遺留分侵害額請求)すれば、長男は他の兄弟に「現金」を支払わなければなりません。
行政書士がなぜここを強調するかというと、「遺言書があるのに、結局話し合い(争い)が必要になってしまう」という最悪の事態を防ぐためです。
2. 遺留分を侵害しない「黄金の配分」を知る
「誰にどれくらい残せばいいのか」を知るには、まず自分の家族構成における遺留分の割合を把握しましょう。
- 基本のルール: 法定相続分の「半分」が遺留分になるケースがほとんどです(※親のみが相続人の場合は3分の1)。
具体例:子供2人(長男・次男)の場合
- 法定相続分: 各2分の1
- 遺留分: その半分なので 各4分の1
この場合、長男に多く残したいのであれば、次男に「全財産の4分の1以上」を渡すように指定すれば、遺留分の問題はクリアされます。
3. 行政書士が実務でチェックする「3つの落とし穴」
計算上は正しくても、実務では以下のポイントでつまずく方が多いです。
① 「不動産」がメインの場合の注意点
「長男に自宅(3,000万円)、次男に現金(500万円)」とした場合、次男の遺留分が1,000万円だとしたら、500万円足りません。 不動産は評価額が変動するため、行政書士は「将来、次男が不満を持たない現金を添えられるか」を検討します。
② 「特別受益」を忘れていないか
過去に特定の子供だけに「住宅購入資金」や「結婚資金」を多額に渡している場合、それも相続財産に持ち戻して計算されることがあります。これも遺留分トラブルの火種です。
③ 債務(借金)の存在
プラスの財産だけでなく、借金も差し引いて遺留分を計算します。ここを見誤ると、配分の比率が崩れてしまいます。
4. プロが勧める「遺留分対策」の合わせ技
もし、どうしても遺留分を下回る配分にしたい場合は、以下の「合わせ技」を提案します。
- 生命保険の活用: 生命保険金は原則として「受取人固有の財産」となり、遺留分の対象外とされます。現金を保険に変えて受取人を指定することで、実質的な配分を調整できます。
- 「付言事項」で心を整える: なぜ次男には遺留分相当(あるいはそれ以下)しか残さないのか。その理由を言葉として遺します。「次男には家を建てる時に援助したから」「長男には今後の家系を守ってほしいから」という言葉が、法的な請求を思いとどまらせる力になります。
まとめ:遺言書は「愛のメッセージ」であると同時に「設計図」
行政書士にとって遺言書は、あなたの想いを乗せた「愛のメッセージ」であると同時に、1円の狂いも許されない「相続の設計図」です。
特定の相続人に多く残したいという願いは、決して悪いことではありません。ただ、そのせいで残された人が苦労しないよう、緻密な計算に基づいた配分を指定することが重要です。
「自分の場合はどう配分すれば安全か?」と不安になったら、ぜひ一度、相続の専門家である行政書士にご相談ください。
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